相続対策で保険加入を考えています。契約形態で課税が相違する?

生命保険は契約者と被保険者・死亡保険金受取人の関係で課税が異なります。

パターン 契約者 被保険者 死亡保険金受取人
子供 相続税
(非課税特典あり)
所得税
(一時所得)

Ⅰ相続税タイプの場合、受け取る死亡保険金から「500万円×法定相続人数」までの金額が非課税となります。死亡保険金受取人が受け取った保険金は相続人固有の財産になり、死亡保険金受取人が相続放棄をした場合であっても保険金を受け取ることが可能です。しかし、この死亡保険金はみなし相続財産として相続税が課税されますので、受け取る死亡保険金分だけ相続財産が増えることになります。一般的に、相続対策としてはパターンⅠを選択する場合が多いようです

相続財産が多額である場合は、Ⅰ相続税タイプでの準備では、その受け取る死亡保険金にかかる相続税額が大きくなりすぎるために、受け取った保険金が相続税の納税準備にならない場合があります。その場合は、Ⅱ一時所得タイプを活用します。一般的には、配偶者がいる場合で相続財産が7~8億円以上、配偶者がいない場合で1.5~2億円以上の場合は所得税タイプの方が有利になるケースがあるようです。この場合は、受け取った保険金は相続人の一時所得としてほかの所得と合算され、所得税が課税されます。

課税所得が1,800万円以上になる場合、税率は所得税+住民税で最高の50%になります。課税される一時所得の金額は次のように計算します。
(受取保険金-既払込保険料-50万円)×1/2

従って、受け取った保険金には、最高でも25%の課税になります。しかも、死亡保険金を多額に受け取った場合であっても相続税の課税対象額は増加することはなく、相続財産には含まれない納税資金準備ができることになります。
相続財産額と相続人数等を考えて、どちらのタイプの契約が有利になるか考慮する必要があります。